家庭菜園でブロッコリーの葉についた青虫と食害跡を確認する女性

<<この記事にはプロモーションが含まれています>>

こんにちは、やさしい家庭菜園ノートのまっちゃんです。

家庭菜園でブロッコリーを育てていると、ある日ふと葉を見たときに、小さな穴がいくつも開いていることがあります。さらに葉をめくると緑色の幼虫がいたり、黒っぽいふんが落ちていたり。「昨日までこんなに食べられていなかったのに」と驚くこともあります。

ブロッコリーはキャベツやハクサイ、ダイコンなどと同じアブラナ科の野菜です。そのため、モンシロチョウの幼虫であるアオムシをはじめ、コナガ、ヨトウムシ類、アブラムシ類などの害虫が付くことがあります。

特に気を付けたいのは、まだ苗が小さい時期。大きく育った株なら外葉を多少食べられても生育を続けられる場合がありますが、幼苗の中心葉や生長点を食べられると、その後の生育への影響が大きくなることがあります。

私がブロッコリーの虫を確認するときは、いきなり虫そのものを探すのではなく、まず葉の穴、ふん、葉裏、株の中心という順番で見ていきます。緑色の幼虫は葉と同化して見えにくいので、食べた跡からたどるほうが見つけやすいんですよ。

そして、ブロッコリーの虫対策で大事なのは、たくさん増えてから一気に退治しようとしないことです。定植直後から防虫ネットで侵入を減らし、葉裏をこまめに見て、卵や若い幼虫のうちに取り除く。この流れを作るだけでも、あとになって虫探しに追われにくくなります。

この記事でわかること
  • ブロッコリーにつく代表的な虫と食害の違い
  • アオムシやコナガを葉から見つける方法
  • 防虫ネットを使って虫の侵入を減らす方法
  • 花蕾に虫がいたときの収穫後の扱い方

    家庭菜園のブロッコリーで虫を見分ける

    ブロッコリーの葉に穴を見つけても、すぐに原因となる虫が分かるとは限りません。アオムシ、コナガ、ヨトウムシ類では幼虫の大きさや食べ方が異なり、アブラムシ類のように葉へ穴を開けず汁を吸う虫もいます。

    そこで、まずは虫そのものの姿だけでなく、「どんな食べ跡があるか」「どこに虫がいるか」「ふんが落ちているか」を合わせて見ていきましょう。名前を完璧に覚えなくても、被害の特徴が分かれば次の対策へ進みやすくなります。

    ブロッコリーにつく主な虫

    家庭菜園のブロッコリーで特に確認しておきたいのは、アオムシ、コナガ、ヨトウムシ類、アブラムシ類です。

    群馬県の家庭菜園向け栽培情報でも、アオムシ、コナガ、ヨトウムシがブロッコリーの主な害虫として挙げられています。特に生育初期に食害を受けると被害が大きくなりやすいため、苗を植えた直後から観察を始めることが大切です。

    害虫 見つけやすい場所 主な被害 見分けるポイント
    アオムシ 葉表、葉裏 葉に穴を開ける 緑色で葉と同化しやすい
    コナガ幼虫 主に葉裏 表皮を残して葉肉を食べる 小型で刺激すると活発に動く
    ヨトウムシ類 葉裏、株元、葉の陰 葉を大きく食べる場合がある 大きな食害とふんが手掛かり
    アブラムシ類 葉裏、新芽、花蕾付近 植物の汁を吸う 小さな虫が群れて付く

    もちろん、この4種類だけがブロッコリーにつくわけではありません。地域や季節によって、ハスモンヨトウ、ハイマダラノメイガ、ナメクジなどが問題になることもあります。

    ただ、家庭菜園で最初からすべての害虫を覚えようとすると大変です。まずは葉を食べるチョウやガの幼虫と、葉や花蕾に集まるアブラムシ類を見分けられるようになるだけでも、かなり対応しやすくなります。

    アオムシの見分け方

    家庭菜園でブロッコリーを育てていると、比較的見つけやすいのがアオムシです。一般にアオムシと呼ばれているものの一つがモンシロチョウの幼虫で、ブロッコリーなどのアブラナ科植物を食べます。

    体が緑色なので、葉の中央にいても意外と気づきません。私も上から眺めただけでは見逃してしまい、葉の穴をたどって初めて見つけることがあります。

    小さいうちは食べる量も少ないのですが、幼虫が成長すると食害量が増えてきます。葉に小さな穴が数個ある程度だったものが、数日後には大きく欠けていることもあります。

    モンシロチョウがブロッコリーの周囲を何度も飛んでいたら、葉裏も確認してみてください。すでに産卵されている可能性があります。幼虫が大きくなってから探すより、卵や小さな幼虫の段階で見つけたほうが対処はラクです。

    探すときは、食べられた葉だけを見るのではなく、その左右の葉も確認します。幼虫は食べながら移動するため、穴の開いた場所に必ずいるとは限りません。

    コナガの見分け方

    コナガもブロッコリーなどアブラナ科野菜で注意したい害虫です。幼虫はアオムシよりかなり小さく、葉裏にいることが多いため、慣れるまでは見逃しやすい虫です。

    コナガ幼虫の特徴的な食害の一つが、葉の表皮を残しながら葉肉を食べることです。被害部分が薄く透けたように見え、その後に表皮が破れると小さな穴になります。

    「葉に小さい穴はあるのにアオムシが見つからない」というときは、葉裏をゆっくり見てみましょう。幼虫が小さいので、目を近づけて見ないとなかなか分かりません。

    また、コナガの幼虫は葉を触ったときなどに活発に動き、糸を出してぶら下がることがあります。これはアオムシとの見分け方の一つになります。

    コナガは幼虫が小さいからといって油断はできません。苗が小さい時期に数が増えると、新しい葉まで食害されて生育が遅れることがあります。小さな食害を見つけた段階で葉裏を確認するのがポイントです。

    ヨトウムシ類の見分け方

    葉がかなり食べられているのに、昼間はいくら探しても幼虫が見つからない。そんなときはヨトウムシ類も候補になります。

    ヨトウガ類には、幼虫が成長するにつれて食害量が増えるものがあります。種類や成長段階によって行動は異なりますが、夕方から夜に食害が目立つ場合もあるため、昼に見つからなければ時間を変えて確認する方法があります。

    葉の大きな欠けや、株の近くに落ちている比較的大きなふんも手掛かりです。食べられた葉の裏だけでなく、重なった葉の陰や株元も確認してみてください。

    ヨトウムシ類などの幼虫は、大きくなってからでは食べる量も増えます。さらに、一般にチョウ目害虫は若齢幼虫の時期のほうが薬剤防除もしやすいため、発生初期に見つける意味は大きいです。

    特にブロッコリーの苗がまだ小さい時期に、中心葉が急に食べられた場合は早めに確認します。外葉一枚の穴より、生長点周辺の食害を優先して見たほうがよいでしょう。

    アブラムシ類の見分け方

    アブラムシ類はアオムシやコナガのように葉を大きくかじる虫ではありません。植物の汁を吸って生活するため、葉に穴が開くというより、葉裏や新芽に小さな虫がまとまって付いている状態で気づくことが多くなります。

    ブロッコリーでは葉裏だけでなく、花蕾ができ始めたころに細かな隙間へ入り込むことがあります。花蕾に多数付いてから気づくと収穫時の確認が大変なので、葉の段階から増えていないかを見ることが大切です。

    少数なら、手や粘着テープなどを使って取り除ける場合があります。また、株を傷めない程度の水流で葉裏から落とす方法もあります。

    ただし、水を掛けたあとに株が長時間ぬれたままにならないようにしましょう。特に気温が低い時期や風通しが悪い場所では、夕方遅くに葉全体をびしょびしょにするより、日中に作業したほうが扱いやすいです。

    アブラムシは非常に小さいため、肉眼で種類まで見分ける必要はありません。「小さな虫が新芽や葉裏にまとまっている」と気づければ、家庭菜園ではまず十分です。

    葉の穴とふんから虫を探す

    虫を見つけるうえで、私がかなり頼りにしているのが食害痕とふんです。

    葉の色と同じ緑色の幼虫を一匹ずつ探そうとすると時間がかかります。そこで、最初に新しい穴が開いていないかを見ます。食べた跡が見つかったら、その葉の表裏と隣の葉を確認する流れです。

    次に、葉の付け根や下の葉、マルチや土の表面を見ます。黒っぽい粒状のふんが落ちていれば、その上や周囲で幼虫が食べている可能性があります。

    古い食害か、現在も食べられているのか分かりにくいときは、翌日もう一度確認してみてください。新しい穴やふんが増えているなら、まだ虫が残っている可能性が高くなります。

    ◆まっちゃんのワンポイントアドバイス

    虫探しは、すべての葉を片っ端からめくるより、葉穴→ふん→葉裏→中心葉→株元の順に見たほうがラクです。私は最初に新しい食害がある株を絞ってから、その株を念入りに見るようにしています。

    虫食いから株の状態を判断する

    ブロッコリーの葉が虫食いになったからといって、その株をすぐ抜く必要はありません。

    外側の大きな葉に何個か穴が開いていても、中心から新しい葉が伸びていて、茎や生長点が無事なら、その後も生育を続けられる場合があります。

    反対に、まだ小さな苗の中心葉が大きく食べられたり、生長点そのものを繰り返し傷められたりすると、生育への影響が大きくなることがあります。

    私は被害を見たとき、「何枚食べられたか」だけでなく、新しい葉が伸びる中心部分が残っているかを見るようにしています。

    虫を取り除いたあと数日から一週間ほど観察し、新しい葉が展開してくれば回復している一つのサインになります。ただし、生育速度は気温や季節によって違うため、日数だけで決めつけないようにしてください。

    なお、食害を受けたからといって、急に肥料を大量に与える必要はありません。葉を失った原因は害虫なので、まず虫を減らすことが先です。その後は水分、葉色、生育状況を見ながら通常の栽培管理に戻します。

    植え付けや追肥、花蕾の収穫まで含めた基本的な管理については、家庭菜園のブロッコリー育て方でも詳しくまとめています。

    花蕾に虫がいたときの扱い

    ブロッコリーを収穫して台所へ持ってきたあと、花蕾の中から小さな虫が出てくることがあります。

    ブロッコリーの花蕾は非常に細かなつぼみが集まっているため、アブラムシや小さな幼虫が入り込むと外から見えにくくなります。収穫するときは花蕾の表面だけでなく、裏側や茎が枝分かれしている部分も見ておくと虫を見つけやすくなります。

    虫が付いていたことと、野菜そのものが腐敗していることは分けて考えます。まず虫や異物を取り除き、変色、異臭、ぬめり、腐敗などがないか確認します。

    調理前には流水で十分に洗います。そのうえで衛生面を考えるなら、加熱して食べる方法が取り入れやすいです。厚生労働省は、ブロッコリーやカリフラワーのように形が複雑な野菜について、衛生管理の方法として熱湯で湯がくことを挙げています。

    (出典:厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A」)

    収穫したブロッコリーに虫がいた場合、「水へ一定時間つければ必ず虫が全部出てくる」といった方法を絶対的なものとして考えないほうが安心です。小房へ分けながら目視し、流水で洗い、必要に応じて加熱する流れが分かりやすいです。

    春と秋で虫の出方は変わる

    ブロッコリーは地域や品種によって春作と秋作がありますが、虫の発生状況は気温や地域によって変わります。

    特に秋冬どりのブロッコリーでは、苗を植えるころがまだ暖かく、アオムシやコナガ、ヨトウムシ類の活動時期と重なる場合があります。そのため、「秋冬野菜だから虫は少ないだろう」と考えて防虫対策を後回しにしないほうがよいでしょう。

    群馬県の夏まき栽培例では、アオムシ、コナガ、ヨトウムシについて育苗期から11月まで発生が多いとされています。ただし、これは全国共通の日付ではありません。暖地、寒冷地、その年の気温によって発生時期は変わります。

    つまり、「11月になったからネットを外して大丈夫」と日付だけで決めるより、実際にチョウやガが飛んでいるか、新しい食害があるかを見て判断するほうが現実的です。

    9月から秋冬野菜を始める流れについては、9月の家庭菜園に植える野菜と秋まきの始め方も参考にしてください。

    家庭菜園のブロッコリーで虫を防ぐ

    ブロッコリーの虫対策は、虫が大量に発生してから始めるより、苗を植えた直後から予防するほうが手間を減らせます。

    中心になるのは、防虫ネットで成虫の飛来や産卵を減らすこと。そして、ネットを掛けたあとも葉裏を確認し、入り込んだ虫を少ないうちに取り除くことです。

    それでも被害が止まらない場合は、発生している虫を確認したうえで登録農薬を選択肢にします。予防、観察、物理的な除去、必要時の薬剤という順番で考えると分かりやすいですよ。

    防虫ネットは定植直後から使う

    家庭菜園のブロッコリーで私がまず準備したいのは防虫ネットです。

    ポイントは「虫が出たら掛ける」のではなく、できるだけ定植直後から掛けること。すでにモンシロチョウなどが産卵したあとでネットを掛けても、その卵から幼虫がふ化すればネットの中で食害が続きます。

    畑ではトンネル支柱を使い、ネットの裾を土や固定具で閉じます。端がめくれていると、そこから虫が入り込む可能性があります。

    佐賀県のアブラナ科野菜に関する有機栽培資料では、キャベツとブロッコリーについて、定植後すみやかに0.8mm目合いの防虫ネットでトンネルを設置し、裾に隙間を作らない方法が示されています。

    そのため、家庭菜園でも0.8mm目合いの防虫ネットは、アオムシやコナガなどの侵入を減らすための選択肢になります。

    ただし、目合いは細かければ細かいほど万能というわけではありません。小さな害虫を対象にするほど細かなネットが必要になる一方、細かいネットは風が抜けにくくなります。

    夏から初秋の高温時に使う場合は、ネット内が暑くなり過ぎていないかも確認しましょう。

    ネットは隙間をなくして張る

    防虫ネットは、ただ上から掛けただけでは十分な効果を得にくい場合があります。

    よくあるのが、ネットの長さが足りず裾が浮いているケースです。風でめくれたり、水やりのあと閉じ忘れたりすると、そこが侵入口になります。

    トンネルを作るなら、苗が小さいからと低くし過ぎないほうが扱いやすいです。ブロッコリーは成長すると葉がかなり横へ広がります。最初から少し余裕を持たせておくと、途中で張り直す回数を減らせます。

    畑では土で裾を押さえる方法があります。何度も開閉する場所では、トンネル支柱と固定具のセットを使う方法もあります。楽天アフィリエイトで関連商品を紹介するなら、この部分は自然に商品へつなげやすいところです。

    防虫ネットの設置方法そのものは、家庭菜園の防虫ネットの張り方で詳しく解説しています。

    防虫ネットは目合いだけでなく、裾、両端、開閉部分の隙間まで確認することが大切です。ネット自体が立派でも、大きな隙間があれば虫は入り込めます。

    ネット内でも葉裏を確認する

    防虫ネットを掛けたあと、「これでもう安心」と中を見なくなってしまうことがあります。

    ところが、苗を購入した時点で卵や小さな幼虫が付いていたり、定植してからネットを掛けるまでの間に産卵されていたりする可能性があります。

    また、作業のためにネットを開けたときに成虫が入り込むことも考えられます。

    そのため、ネットを使っていても葉裏の確認は続けます。特に定植後しばらくは、新しい食害がないかをこまめに見てください。

    葉に穴を見つけたら、まずその葉を裏返します。次に、隣の葉、生長点付近、株元を確認します。

    幼虫が非常に小さく見分けにくい場合は、園芸用ルーペが一つあると便利です。小さなアブラムシや葉裏の虫を確認するときにも使えます。

    大げさな道具は必要ありません。家庭菜園なら、葉を傷つけずに観察できる程度の拡大鏡で十分ですよ。

    農薬を使わない基本対策

    数株程度の家庭菜園なら、発生初期であれば防虫ネットと捕殺だけでも被害を抑えられる場合があります。

    まず、葉裏に卵を見つけたら取り除きます。小さな幼虫なら手やピンセットなどで取り除きます。アブラムシが少数なら、テープなどを利用して取る方法もあります。

    そして、株元に枯れ葉や不要な残さをため過ぎないようにします。虫が隠れる場所が増えるだけでなく、株元が見えにくくなって観察もしにくくなるためです。

    ただし、虫食いになった健康な葉まで片っ端から切る必要はありません。まだ緑色の部分が多く残っている葉は、株の生育に役立っています。

    見た目をきれいにしたいからと、外葉を大量に取り除くのは控えましょう。特に花蕾を作る前の株では、健康な葉をできるだけ残しておくことが大切です。

    また、家庭にある酢や洗剤などを「天然だから安全」と考え、濃度を決めずに野菜へ散布するのもおすすめしません。植物に薬害が出る可能性がありますし、害虫防除を目的にするなら、家庭にあるものと農薬登録された製品は分けて考える必要があります。

    ◆まっちゃんのワンポイントアドバイス

    ブロッコリーの葉を完全な無傷にしようとすると、虫探しだけで疲れてしまいます。私は外葉に小さな穴が少しあるくらいなら、中心葉と花蕾が無事かを優先して見ます。家庭菜園では虫をゼロにするより、収穫に支障が出るほど増やさないことを目標にすると続けやすいですよ。

    被害が広がったときの対処

    昨日より明らかに葉の穴が増えた場合は、まだ害虫が株に残っている可能性があります。

    まず防虫ネットを外して薬剤を使うのではなく、ネットの中を一度確認します。葉を順番に見て幼虫や卵を取り除き、ネットに破れや隙間がないかを確認しましょう。

    被害の状態によって優先順位も変わります。

    被害 最初にすること 次に見る場所
    外葉に小さな穴が数個 葉裏を確認する 卵と小さな幼虫
    複数の葉に穴とふん 幼虫を探して除去する 周囲の株とネットの隙間
    中心葉が食べられている 生長点を確認する 新しい葉が伸びているか
    花蕾に虫が付いている 虫の数と収穫時期を確認する 花蕾の裏と側枝

    株が食害を受けていると、「肥料を増やせば早く元気になるかな」と思うかもしれません。しかし、害虫が残ったままでは食害そのものが止まりません。

    最初に虫を減らし、その後に水切れや肥料切れなど別の問題がないかを確認します。一度にいくつもの管理を変えないほうが、何が原因なのか分かりやすくなります。

    農薬とBT剤を使うとき

    手取りでは追いつかないほど食害が続く場合は、登録農薬を使う方法もあります。

    ここで大事なのは、「野菜用」「虫用」と書いてあるだけで選ばないことです。

    使用するブロッコリーに適用があり、さらに発生している害虫が適用病害虫に含まれている製品を選びます。

    農薬には、使用できる作物、対象害虫、希釈倍数や使用量、使用方法、使用時期、使用回数などが定められています。登録内容は変更されることもあるため、使用時には製品ラベルを確認します。

    (出典:農林水産省「農薬登録情報提供システム」)

    アオムシやコナガなどのチョウ目害虫では、BT剤が選択肢になることもあります。BT剤とは、微生物由来成分を利用した農薬の一種で、農薬登録を受けた製品があります。

    ここは誤解しやすいところですが、BT剤も登録農薬なので、「農薬を使わない対策」には含めません。

    また、「BT剤ならブロッコリーへ何でも使える」という意味でもありません。製品ごとに適用作物や害虫、使用方法が異なるため、その製品の登録内容に従います。

    薬剤を使う場合も、幼虫が大きくなってから一度に対処するより、毎日の観察で発生初期を見つけることが重要です。

    昔の記事や古い農薬一覧に書かれている商品名だけを見て購入しないようにしましょう。農薬の登録内容は変更されることがあります。手元の製品ラベルに記載された作物、対象害虫、使用時期、回数などが使用時点の基準になります。

    プランター栽培の虫対策

    ブロッコリーをプランターで育てても、アオムシやコナガなどが付く可能性はあります。

    「ベランダだからチョウは来ないだろう」と思いたくなりますが、高い階でも昆虫が飛来することはあります。そのため、虫が苦手ならプランターでも防虫ネットを用意しておくと安心です。

    プランターでは容器をまたぐように支柱を立て、ブロッコリーの葉が十分広がれる空間を作ります。

    苗のころは小さくても、成長すると外葉がかなり大きくなるので、ネットをぴったり掛け過ぎないようにしてください。

    また、プランター栽培は株へ近づきやすいのがメリットです。朝の水やりのときに葉を一枚、二枚めくるだけでも、卵や小さな幼虫を早く発見できます。

    水やりについては、虫対策とは別に土の乾きを見て行います。受け皿へ常時水をためるのではなく、排水できているかも確認してください。

    虫が出たからといって水や肥料の管理まで急に変えると、根の状態を悪くすることがあります。害虫対策と栽培管理は分けて考えるのがコツです。

    虫を増やしにくい栽培管理

    防虫ネットだけでなく、ブロッコリー自体を健康に育てることも大切です。

    適期に植えること、株間を確保すること、水切れや長期間の過湿を避けること、肥料を必要以上に与えないことなど、基本的な栽培管理を続けます。

    特に肥料は「たくさん与えるほど丈夫になる」わけではありません。窒素肥料を必要以上に使うと茎葉が軟らかく育つことがあります。

    元肥を十分に入れた畑や、肥料入り培養土を使ったプランターでは、植えた直後から追加の肥料を重ねる必要がない場合もあります。

    虫食いを見つけたときも、すぐ肥料不足と結び付けないようにしましょう。

    さらに、アブラナ科の雑草や前作の残さを畑へ長く残さないことも大切です。コナガなどアブラナ科植物を利用する害虫が周囲に残る可能性があります。

    収穫が終わったブロッコリー株をそのまま長期間放置するのではなく、栽培を終えるなら適切に片付け、次の作物へ切り替えます。

    苗を買った日に虫を確認する

    防虫ネットをきちんと張っているのに虫が出てきた場合、苗と一緒に持ち込んだ可能性も考えます。

    園芸店で苗を選ぶときは、株全体の元気さだけでなく葉裏まで見てみましょう。

    葉に小さな穴がある苗なら、その葉の裏や周辺を確認します。小さな幼虫や卵が残っていることがあります。

    アブラムシなら新芽や葉柄周辺に群れていないかを見ます。

    そして植え付ける直前にもう一度確認してください。お店では鉢が並んでいて見えにくかった葉裏も、自宅なら一枚ずつ確認できます。

    虫が付いていないことを確認して定植し、その直後に防虫ネットを掛ける。この流れにすると、ネット内へ害虫を持ち込む可能性を減らせます。

    毎日の虫チェック手順

    虫対策というと毎日長い時間をかけるイメージがありますが、家庭菜園なら短時間の確認を習慣にしたほうが続けやすいです。

    私はまず株全体を見て、新しい穴がないか確認します。次に食害のある葉だけを詳しく見る方法にしています。

    短時間で見るなら、葉の穴→ふん→葉裏→中心葉→株元→防虫ネットの裾という順番がおすすめです。

    何も変化がなければ、すべての葉をめくる必要はありません。

    反対に、新しい穴が一つ見つかったら、その株は少し時間を掛けて確認します。こうすると、毎日の作業時間を増やし過ぎずに済みます。

    虫が見つからないのに食害だけ増える場合は、朝だけでなく夕方にも見てみましょう。活動時間が異なる害虫がいるため、見る時間を変えると発見できる場合があります。

    同じ位置からスマートフォンで株を撮影しておくのも便利です。数日前の写真と比べれば、食害が増えているのか、古い穴が葉の成長で大きく見えているだけなのかを比べやすくなります。

    収穫前の虫チェック

    頂花蕾が見えてきたら、確認する場所を葉だけから花蕾周辺まで広げます。

    花蕾は細かな隙間がたくさんあるため、小さなアブラムシや幼虫が入り込むと外から見えにくくなります。

    花蕾の表面を眺めるだけでなく、裏側や茎の分岐部分、花蕾に近い若い葉まで見てください。

    虫のふんが花蕾の上へ落ちている場合、その上にある葉をたどると幼虫が見つかることもあります。

    また、収穫できる状態になっているのに「もっと大きくしたい」と畑へ長く置き過ぎる必要はありません。花蕾が締まっていて品種の収穫サイズになったら、適期収穫します。

    黄色い花が開き始めるまで待つと、ブロッコリー本来の収穫適期を過ぎていることがあります。

    側花蕾を収穫できる品種なら、頂花蕾を採ったあとも株を残します。その場合は新しく伸びてくる側枝にも虫が付くことがあるため、観察を続けましょう。

    防虫ネットを外す時期

    防虫ネットをいつ外すかについては、「全国どこでも何月」と固定することはできません。

    地域、気温、作型、害虫の発生状況が違うからです。

    気温が下がればチョウやガの活動が少なくなる傾向はありますが、暖かい日が続く地域では秋が深まっても飛来することがあります。

    そのため、カレンダーだけでなく実際の畑を見て判断します。

    モンシロチョウなどがまだ飛んでいる、新しい食害が見られる、周囲のアブラナ科野菜に幼虫がいる。このような状況なら、急いでネットを外す必要はありません。

    一方で、ブロッコリーの葉が成長してネット内が窮屈になったら、高さを出して張り直す方法があります。

    高温期はネット内の温度にも注意してください。目合いの細かいネットほど通気性に影響するため、虫だけを見て株を蒸らさないようにします。

    虫対策でやりすぎないこと

    家庭菜園で虫を見つけると、「全部退治しなければ」と思ってしまうものです。

    しかし、少し葉を食べられただけで株全体が収穫できなくなるとは限りません。

    健康な外葉が多く残り、生長点が動いているなら、まず今いる虫を取り除いて経過を見ます。

    逆に、虫食いの跡が気になるからと健康な葉まで何枚も切ると、株が光合成する面積を減らしてしまいます。

    また、一日に何種類もの防除資材を使う必要もありません。

    まず虫を見つける、取る、ネットの隙間を直す。その後に新しい被害が止まったかを見る。まだ増えるなら次の方法を考える。この順番で十分です。

    家庭菜園の虫対策は、虫を一匹もいなくすることより、株の生育や収穫へ大きな影響が出ない程度に被害を抑えることが現実的です。

    あなたのブロッコリーに小さな穴を見つけたら、それは栽培失敗のサインではありません。むしろ「今のうちに葉裏を見ておこう」という合図だと考えてみてください。

    ブロッコリーの虫に関するよくある質問(FAQ)

    Q1. ブロッコリーの葉が穴だらけでも育ちますか?

    A. 外葉の一部が食べられていても、生長点が残り、中心から新しい葉が伸びているなら、その後も育つ可能性があります。ただし、まだ小さな苗で中心葉まで大きく食べられた場合は影響が大きくなります。まず害虫を取り除き、新しい食害が止まるかと新葉が伸びるかを確認してください。

    Q2. 防虫ネットをしているのに青虫がいるのはなぜですか?

    A. ネットを掛ける前に葉へ卵が産み付けられていた、購入した苗に卵や幼虫が付いていた、ネットの裾や開閉部分から成虫が侵入した、といった可能性があります。ネットを一度確認し、中にいる虫を取り除いたうえで、裾、両端、破れを確認しましょう。

    Q3. ブロッコリーには何mmの防虫ネットがよいですか?

    A. 対象にする虫によって適した目合いが変わります。佐賀県のキャベツ・ブロッコリー向け有機栽培資料では、0.8mm目合いの防虫ネットを定植後すみやかに設置する方法が示されています。家庭菜園でも一つの目安になりますが、アブラムシなどさらに小さな虫まで対象にする場合は、対象害虫に合わせて目合いを選びます。細かなネットほど通気性にも注意してください。

    Q4. 農薬を使わずにブロッコリーの虫を防げますか?

    A. 家庭菜園の少ない株数なら、防虫ネット、卵や幼虫の捕殺、葉裏の定期観察を組み合わせることで被害を抑えられる場合があります。ただし、完全に虫が付かないとは限りません。被害が増えて手取りで追いつかない場合は、対象害虫とブロッコリーに登録のある農薬を選択肢にします。なお、BT剤も農薬登録された製品なので、農薬を使わない方法とは区別します。

    Q5. 収穫したブロッコリーに虫がいたら食べられますか?

    A. 虫が付いていたことだけで腐敗しているとは限りません。虫や異物を取り除き、異臭、ぬめり、腐敗などがないかを確認し、小房の隙間まで流水で十分に洗います。衛生面では加熱して食べる方法が取り入れやすく、厚生労働省もブロッコリーなど形が複雑な野菜について湯がく方法を挙げています。

    家庭菜園のブロッコリー虫対策まとめ

    家庭菜園でブロッコリーを育てると、アオムシ、コナガ、ヨトウムシ類、アブラムシ類などに出会うことがあります。

    特に苗が小さい時期は、中心葉や生長点を食べられると生育への影響が大きくなることがあります。そのため、定植直後から防虫ネットを使い、侵入そのものを減らすことが第一歩です。

    それでも虫が付くことはあります。そんなときは葉穴、ふん、葉裏、中心葉、株元という順番で確認してみてください。

    虫が少ないうちは、卵や幼虫を取り除き、防虫ネットの隙間を直します。被害が止まらず薬剤を使用するときは、ブロッコリーと対象害虫の両方に適用がある登録農薬を選びます。BT剤についても農薬製品として登録内容に従って使用します。

    • 定植後はできるだけ早く防虫ネットを掛ける
    • 新しい葉穴を見つけたら葉裏とふんを確認する
    • 苗の生長点への食害は優先して対処する
    • ネットの裾や両端に隙間を作らない
    • 農薬を使う場合は作物と害虫の登録内容を確認する
    • 収穫後は花蕾の隙間まで確認して十分に洗う

    ブロッコリーの虫対策は、一度だけ大がかりな作業をするより、毎日ほんの少し株を見るほうが役立ちます。

    葉に一つ穴を見つけた段階なら、まだ被害を小さく抑えられるかもしれません。水やりのついでに葉を一枚めくる。そこから始めれば十分ですよ。

    最後までお読みいただきありがとうございます。